切るしたごしらえ
野菜などの切り方には、基本の輪切り、半月切り、いちょう切りがありますが、その他いろいろあります。細かく切るとよいのは、溶出面積を大きくするためです。

輪切り
ダイコンなどのような丸い根莱類をそのまま切ることをいいます。車輪の輪のようになっているので、輪切りといいます。ダイコン、ニンジン、レンコン、キュウリ、タケノコ、イモ類などに用いられます。
ふろふきダイコンなどの煮物、千枚づけのような漬物、揚げ物、汁物など、用途によって加減します。

半月切り
ダイコン、ニンジンなど丸太状のものを、縦半分に切る切り方。切った形が半月状なので、この名前があります。


イチョウ切り
野菜などをイチョウ形に切る切り方です。ダイコン、ニンジン、カブなど、切り口の丸いものを縦に十文字に切り、これを小口から適当な厚さに切ることです。



あられ切り
材料を3~5m角の小さなさいの目に切ることです。あられに似た形から、このようにいわれます。あられ切りにしたものを料理の上にかけたり、混ぜ込んだり、汁物の実や和え物にしたものも、あられショウガ、あられ豆腐などの名で呼ばれます。
細かく切ったタイやスズキなどを加えたかゆはあられがゆ、餅を小さく切り、しょうゆをつけて焼いた米菓はあられと呼ばれます。
切り方はさいの目切りと同じです。


みじん切り
細かく千切りにしたものを、さらに小口から細かく刻むことでネギ、ミツバ、パセリ、木の芽などに用います。薬味のほか、ソース類や和え衣に混ぜたり、スープに浮かせたり、料理の飾りに用います。
細かく切ることで有害物質の溶出面積が大きくなります。

色紙切り
紙のように薄く四角く切ることです。丸いものは周りを角に切り落とし、小口から薄く切ります。ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、キャベツなどの野菜や薄焼き卵を切るときに用い、汁物の椀だれやサラダ、炒め物に使われます。
有害物質の溶出面積が広がります。

短冊切り
野菜を拍子木のように切り、これをさらに小口から薄く切ったものです。
短冊形になるので、この名があります。ダイコン、キュウリ、ニンジン、ウド、ジャガイモなどに用いられます。酢の物、和え物、汁物などに用いられます。

くし形切り
球形の材料を放射状に6つ割り、8つ割りにする切り方です。または円柱状のものを縦半分に切り、その両端を切って断面をくし形にし、小口から適当な厚さに切ったものです。


拍子木切り
長さ4~5cm縦0.7~1cmの細長い棒状に切ることです。ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、キュウリ、ウドなどに用いられます。おもな用途は煮つけ、から揚げ、酢煮などです。

小口切り
長ネギ、ウド、ニンジン、ゴボウ、キュウリなどの長い材料を、そのままかあるいは縦半分に切り、端のほうから刻む切り方です。厚さは材料や用途によって変えます。
小口とは、ものの端、先端という意味です。
有害物質を引き出せる面積が広くなります。

乱切り
規則に包丁を入れて切る切り方です。ニンジン、ゴボウ、サツマイモなどの切り口の丸いものは材料を手前に出しながら大きさをそろえて斜めに切ります。
カボチャなどのように形の不規則なものは、形は違ってもだいたい同じ重さになるように切ると均等に煮えます。煮物、シチューなどに用いられます。
これも有害物質の溶出面積が大きくなります。

ぶつ切り
材料をぶつりぶつりと切ることです。他の切り方とは違い、あまり形や大きさを気にする必要はありません。野菜ではネギ、ゴボウなどを切るときに使います。魚介や肉類に使うことも多い切り方で、山かけ用のマグロを切ったり、魚を骨ごと輪切り(筒切り)にするときなどに使われます。

千切り
細いせんに切ることです。ダイコンやニンジンなどを切るときに用います。酢の物、サラダ、汁物などに用いられます。
ダイコンを千切りにするときは、千六本に切るといいます。
有害物質の溶出面積が非常に広くなり、安心の下ごしらえとなります。

かつらむき
ダイコン、ウド、キュウリ、ニンジンなどを4~6cm長さの輪切り皮をむく要領で巻紙のようにくるくると中まで薄く切ったものです。
切れることなく、かつ、紙のように薄く均一にむきます。
これでほかの材料を包んだり、またかつらにむいたものを千切りにして刺身のつまにします。
薄くむくことは有害物質を引き出す面積を広くする下ごしらえになります。

白髪にする
千切りよりさらに細く切ったものです。白髪に似ているのでこの名があります。白髪ネギ、白髪比布などがあります。また、エビ、タイ、ヒラメなどの白身の魚を、ゆでるか蒸すかしてごく細かくむしることを、「白髪にむしる」といいます。
水にさらすと有害物質の不安はほとんどなくなります。


ささがき
鉛筆を削るように、材料を回しながらそぎ切る野菜の切り方です。切った形が樅の葉に似ているので、この名があります。おもにニンジン、ゴボウに用い、水の中に削り落としてアクを抜きます。きんぴらゴボウ、混ぜご飯の具、汁の実などに用いられます。
ゴボウをささがきにするときは、水を張ったボウルを準備しておき、切ったものから水につけてアク抜きをします。ささがきは有害物質を除く大変よい切り方です。

かのこ切り
イカなどの切り方のひとつです。焼き物、煮物、また熱湯に通すとクルッと丸まって、切れ目がきれいに開きます。
かのことは、鹿の子、つまり子鹿の背のまだら模様のことです。イカや赤貝などはかのこに切ることで、火を通したときに切り目が広がって美しく仕上がります。刺身ならしょうゆがからみやすくなり、コンニャクなら味がしみやすくなります。
これも有害物質を引き出しやすくする切り方です。

蛇腹切り
主にキュウリに用いられる切り方です。字のごとく蛇の腹のような模様にします。酢の物や、刺身、焼き魚のあしらいに使います。味がよく染み込むと同時に、有害物質も溶出しやすくなります。

菊花切り
菊の花のように細かく包丁を入れる切り方です。カブやダイコンの甘酢づけなどに用います。
切れ目は有害物質を引き出しやすくするうえ、甘酢につけるとさらに効果が増します。

茶発切り
茶発のように、縦に切り込みを入れる切り方です。主にナスに用いられ、うま煮、口取りなどに使われます。ゴボウ、ウドなどにも用います。茶発とは、抹茶を立てるときに使う、竹の泡立て道具で、これに見立てた飾り切りを「茶尭に切る」といいます。
切込みを入れるので、有害物質が引き出しやすくなります。

へぐ
材料をごく薄く切る手法です。包丁をまな板の面と平行になるように寝かせ、材料をはぐように切ります。鶏肉やシイタケなどを切るときによく使われます。薄くそぎ切ったユズの皮は「へぎユズ」といい、吸いものなどに使われます。

かすりむき
カボチャなどに使う切り方です。皮をところどころむき取るので、味がしみやすくなります。味がしみやすくなるということは、有害物質が溶出しやすくなることでもあります。

このページを見た人は、こんなページも一緒に読まれています!