回転寿司のトップを争う「スシロー」「かっぱ寿司」「くら寿司」1皿100円でいくらの儲け?
外食産業に参入するなら回転寿司、そう思わせるだけの実績を残しているのが「スシロー」「かっぱ寿司」「くら寿司」の3ブランドだ。運営しているのはそれぞれ、あきんどスシロー、カッパ・クリエイト、くらコーポレーションである。

回転寿司コンベアを囲むカウンターとボックスでおよそ200席。大型店舗を新設するためには1店舗1億円を超す投資が必要になるが、365日休日なしで稼働したとして、1日当たりの売上高は60万円超から80万円弱。1席に換算すれば約4000円の売上が見込める。儲けも期待できるようで、客1人に1000円の飲食をしてもらったとして、営業利益は約30円から約70円。もちろん、いずれの会社も懸命な企業努力や創意工夫があってのこと。それぞれの数値を詳しく見てみよう。

およそ300店舗を運営する、あきんどスシロー。同社は「寿司職人の遺伝子を引き継いでいる」と標傍しているように、仕入れた鮮魚類を各店舗内でネタにし、提供するのが最大の特徴。セントラルキッチンなど自社工場で集中加工、それを自社系列の各店舗に配送する方法を採用している同業他社と大きく異なる点だ。品目はおよそ70、客層などを踏まえ、店舗で使用するネタの大部分は店長裁量による仕入だ。

同社が「スシロー」の店舗新設にかけるコストは1店舗1億2000万円(会社発表は「おおむね1億2500万円」)。それを出店4年前後で回収する、というのが基本的なビジネスモデルである。

店舗も年月が経てば、必然的にその資産価値は下がってくる。席数194強の「スシロー」店舗の平均価値は4700万円弱。1店舗平均の年間賃料は1400万円強。その店舗を従業員2.7人とパートで運営。年間の売上高はおよそ2億8000万円、それに対する仕人高は1億4000万円といったところだ。

365日休日なしとして、1日1座席当たり4000円という計算になる。それに対して営業利益はおよそ2.4万円といったところだ。
出資先が韓国で回転寿司事業に着手しているように、海外での本格展開も視野に入れているのがカッパ・クリエイト。同社はコンビニ店舗の経営からは撤退したものの、コンビニ向けのサンドイッチ、弁当、おにぎりなどの製造販売も展開。

そのカッパ・クリエイトが運営する「かっぱ寿司」の国内店舗数は、「スシロー」を上回る379店舗。「黄シリーズ」の投入といったように、新規企画の積極的な展開が目立つ。アイテム別にバイヤーを配置。上尾工場と尼崎工場を中心にネタを加工し、全国の各店舗に配送する体制を敷く。

賃借物件のほかに土地所有の物件もあることから、「かっぱ寿司」の店舗は、1店舗平均9000万円を超す。座席数はおおよそ166席。その店舗を2.3人の従業員で切り盛りし、年間売上高は2.3億円強。1日換算では1座席3800円弱、というのが店舗の平均像である。

くらコーポレーションが運営する店舗は「くら寿司」を中心に260店舗。米国に1号店を開店したように、海外展開も視野に入れていることはいうまでもない。
同社は年間売上高700億円強に対して、魚介類180億円など仕入合計は300億円強。大阪・埼玉・福岡に寿司ネタ加工センターを橘えているように、セントラルキッチンから店舗への供給が基本である。全社でのそれを店舗での仕入として換算すれば、「くら寿司」の1店舗1日当たりの営業利益は5万円というところである。1店舗の資産価値は「スシロー」と同水準、新設コストは「かっぱ寿司」と並ぶ1店舗1億6000万円台となっている。

1皿100円程度の低料金の積み重ね。回転寿司は儲かるのだろうか。ビールなどを含め、1000円の飲食にたとえてみよう。
「スシロー」は店舗での仕入が中心であることから、仕入の496円がそのまま原価。パート費200円を含め、家賃や水道光熱費など経費は472円。結果、1000円につき32円が営業利益となる。

「かっぱ寿司」の場合は、原価に材料費や人件費が含まれているが、これは加工工場におけるコストといっていいだろう。1000円につき、原価は392円、経費は552円、営業利益は56円である。
「くら寿司」の場合は、1000円の飲食につき営業利益は67円。「スシロー」と「かっぱ寿司」を上回る水準での推移である。

1座席1日の売上高が8OOO円超の優良回転寿司店は?アントニオ猪木にブランド使用料を支払っている店は?

回転寿司大手の「スシロー」「かっぱ寿司」「くら寿司」に続くのが、「すし銚子丸」「元気寿司」「平禄寿司」「うおや亭」などだ。

海外展開も積極的に推進している「元気寿司」「すしおんど」の元気寿司の営業利益は、1000円につき6円といったところ。「杵屋」や「めん坊」などの店舗を手がけているグルメ杵屋の資本参加を得ている会社だ

1座席1日の売上高が8000円超と高水準の銚子丸の収支内訳は、とくに原価に注目したい。約174億円の売上高を1000円に置き換えて計算すると、寿司ネタ用の魚類などの仕入総額は411円に相当するが、原価そのものは408円となっている。この3円の差額は、在庫に回った分と考えればいいだろう。

原価は販売や売上にともなって発生させるのが基本。売上がゼロなら、原価もゼロである。つまり、保存がきくビールやジュース類などは、多少の余裕を持って仕入れるのが一般的であり、決算末日に売れ残った分は在庫に回ったことで、3円の差額が出ているということだ。

このように、仕入と在庫は不可分の関係。とくに飲食関係の場合は、生ものの在庫は廃棄ロスになることも多いもの。余分な在庫は、儲けを減らす要因になるものだ。元気寿司のように、仕入のほかに材料費や人件費などが原価の内訳に含まれるのは、店舗以外に加工センターや製造工場などを稼働させていることによる。原価部門の人件費は、「労務費」とするのが一般的である。

「平禄寿司」のジー・テイストと、「うおや亭」の魚喜の両社はやや低迷。ジー・テイストは、年間ブランド使用料1500万円でアントニオ猪木氏と契約し「アントニオ猪木酒場」を運営。「とりあえず吾平」や「村さ来」なども含め居酒屋チェーンも主要業務。魚喜は百貨店やスーパー、駅ビルなどでの鮮魚小売りが中心である。
コンベアの設置など回転寿司の出店には多額の投資が不可欠。回転寿司も全社が儲かる、とはいかないようだ。


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