「甘太郎」「和民」「庄や」大手居酒屋チェーンの多角化経営の実態
居酒屋チェーン大手を形成しているのがコロワイド、ワタミ、大庄の3グループだ。ただし、いずれも居酒屋店舗事業を中心にしつつも、異なる業態の外食店舗や非外食事業も展開。

コロワイドはステーキ・ハンバーグの「ステーキ宮」や回転寿司の「にぎりの徳兵衛」、焼肉の「味のがんこ炎」「カルビ大将」なども手がけているように、多ブランド・多業態推進の代表的企業。

有料老人ホームの運営や高齢者向け宅配事業も主力業務としているのはワタミだ。「庄や」が中心の大庄も、寿司業態の「築地日本海」や「築地寿司岩」などを運営。コロワイドとワタミは直営、大庄は直営とFCの併用だ。3グループの各店舗の1日平均の売上高はどのぐらいあるのだろうか?

コロワイドの子会社でおよそ500店舗を運営しているコロワイド東日本の各店舗でいえば30.6万円。ワタミは「和民」「わたみん家」など国内全店舗平均で33.7万円。ただし、大庄の場合はブランドによる格差が大きく、「日本海庄や」や「築地日本海」の1店舗1日平均売上高が40万円を超す。

一方、店舗新設に投じる金額はどの程度か。コロワイドの子会社で上場企業のアトムは1店舗平均1億円に迫る9647万円。ワタミは国内の「わたみん家阪急伊丹駅前店」を2600万円でオープンさせる一方で、中国では7200万円を投じた店舗も新設。大庄が新規店舗に投じる金額は、1店舗平均2880万円といったところだ。

各グループの店舗で、ビールやおつまみで1000円の会計をしたとしよう。「ありがとうございました」と言われて差し出す1000円のうち、店舗側の取り分ともいうべき営業利益は、コロワイドは30円、ワタミは59円だ。

一方、1000円の飲食提供ごとに9円の営業赤字になっているのが大庄。そのためもあってか、大庄の従業員平均年間給与は、長年にわたって400万円の同額で推移していたが、そこからマイナスに転じている。



「黄金の蔵」「天狗」「酔虎伝」中堅居酒屋チェーンの集客力は?
「黄金の蔵」「東方見聞録」「月の雫」の三光マーケティングフーズ、「天狗」「テング酒場」のテンアライド、「酔虎伝」「八剣伝」のマルシェの3社は居酒屋チェーン中堅。三光マーケティングフーズとテンアライドは直営店舗主体。対照的にマルシェはFC店舗が直営店舗を上回る。

三光マーケティングフーズの直営店の1店舗1日平均売上高は「東方見聞録」が43.1万円、「月の雫」が50万円、「黄金の蔵」が38・7万円など、全社ベースでは39.4万円。一方、仕入高は9.3万円といったところだ。

同社の直営店舗の年間合計集客はおよそ1400万人。したがって、各店には毎日231人強の来客があり、客単価は1700円という計算になる。

テンアライドの各店の1日の売上高は34.2万円。平均で150弱の座席を用意していることから、1座席1日の売上間は2301円になる。マルシェの場合は、直営店ベースでは1店舗1日平均売上高は13.1万円にとどまる。「酔虎伝」は25万円を上回るが、「居心伝」が13.7万円、「八剣伝」が、10.1万円となっていることから、1日の売上高が低く出ているようだ。

各社が店舗の新規オープンにかける費用は、三光マーケティングフーズの「東京チカうめし人形町店」は3600万円弱、テンアライドは8000万円、マルシェの「酔虎伝」は6000万円である。

1000円の飲食提供における各社の収支はどうだろうか。
三光マーケティングフーズは、1000円につき原価と経費合計が901円で、営業利益は99円。経費に含まれるものの実際には資金が流失していない減価償却費も勘案すると、高い利益水準だといっていいだろう。テンアライドは赤字基調。1000円当たりの営業赤字幅が拡大しているのは気になるところだ。マルシェは原価が397円、経費が569円で、営業利益は34円である。従業員の平均年間給与は三光マーケティングフーズが300万円台、マルシェが400万円台、テンアライドは500万円台だ。

このページを見た人は、こんなページも一緒に読まれています!
�