日本が輸入している食品一覧│魚介類
イセエビ86%輸入
イセエビといえば、結婚式の披露宴で出される定番メイン料理として使われるように、豪華さを演出する食材のシンボルである。また、伊豆や房総の民宿などでも夕食のメインとして私たちを楽しませてくれる。

日本での漁獲量は、年間1000トン(2005年)に過ぎず、日本での漁獲量の6倍以上の6028トンが輸入されている。国内流通の86%が輸入イセエビとなっているのである。結局、私たちが食べているイセエビのほとんどは輸入イセエビと考えてまず間違いはない

輸入イセエビの36%(2167トン)はオーストラリア産であるが、その次に輸入されているのがキューバ産のイセエビで、輸入量の約2割(1122トン)を占めている。あと、南アフリカ(809トン)、ニュージーランド(366トン)、フランス(256トン)などから輸入されている。

しかし、このイセエビの輸入地図が変わりつつある。
キューバ産のイセエビが急速に輸入を伸ばしてきているのである。逆にオーストラリア産のイセエビは、資源が減少しつつあるということで、資源管理を行なっており、輸出量も減少しつつある。そして、何よりキューバ産イセエビが輸入を増加させている最大の理由は、価格である。



ウナギ78%輸入
現在、ウナギは土用のウナギはもちろん、1年中食べられる食材である。どこのスーパーに行っても蒲焼きや冷凍蒲焼きは定番商品として置かれている。

日本でのウナギの総供給量(2005年)は、年間9万3637トンとされている。そのうち、輸入加工ウナギは4万9858トン(活ウナギ換算)、輸入活ウナギが2万3552トンで、輸入ウナギが供給量の78%を占めている。

国内養殖ウナギが1万9744トン(21%)で、国内天然ウナギ漁獲量は483トンで国内供給量のわずか0.5%にすぎない。ウナギの輸入先は、輸入加工ウナギの94%が中国産で残りが台湾産である。

活ウナギでは、50.4%が中国産で49.6%が台湾産となっている。このように今や、輸入ウナギがなければ、土用のウナギも食べられない状況となっているのである。
しかし、安心して食べられないのも輸入ウナギなのである。使用禁止合成抗菌剤エンロフロキサシンが中国産加工ウナギから高濃度で検出され、しばらく輸入がストップした。

さらに、05年8月には中国産活ウナギから使用禁止合成抗菌剤マラ力イトグリーンが検出され、輸入が一時停止した。そして、06年6月からは、残留農薬等のポジティブリスト制の実施で基準が厳しくなったことも反映して、中国産ウナギの違反事例が続出したのである。この1年間でマラカイトグリーンの代謝物のロイコマラカイトグリーン検出が調件、フラン系合成抗菌剤の代謝物で発ガン性があるAOZ検出が11件、農薬のエンドスルファンの残留違反が7件、農薬のセミカルバジドの残留違反が8件、総計で55件という状況であった。

現在、中国産ウナギは命令検査対象となっているが、それでも国内流通品から残留抗生物質が検出されるのである。中国政府は、対日輸出農産物リスク評価をしたが、その中で、ウナギ及びその加工品を最も高いリスクを持つ品目としたのである。
そして07年7月に中国政府は、ウナギ加工を含む問題企業からの日本向け輸出を禁止した。


ウニ62%輸入
ウニは、寿司の高級食材。日本での漁獲量(2005年)は、年間1万2000トンで、ここ数年漁獲量はほぼ横ばいとなっている。しかし、ウニ輸入量は1万9497トンに及んでいる。国内流通の6割が輸入のウニとなっている。

主な輸入先は、第1位が輸入量の7割を占めるロシアで、第2位が輸入量の8%のチリ、第3位が輸入量の6%を占める北朝鮮(現在は対北朝鮮制裁で輸入禁止)、後は、米国、カナダ、中国と続く。

輸入の7割を占めるロシア産のウニの最大の特徴は価格である。チリ産ウニの5分の1、米国産ウニの10分の1、カナダ産ウニの8分の1、あの北朝鮮産ウニと比較しても5分の2の価格である。圧倒的に安いのである。このような圧倒的安さが、回転寿司のウニとして利用される理由である。また、国産ウニの価格にもマイナスの影響を与え、国内のウニ漁をしている沿岸漁業者の経営を直撃しているのである。

しかし、ロシア産ウニのこの安さの背景は密漁にある。ロシア産ウニは、そのほとんどが北方4島で漁獲される。そして、ロシアの漁業割当量をはるかに上回るウニが漁獲され、日本に輸出されるのである。そこには、ロシアの「水産マフィア」と日本の暴力団がうごめいているとの指摘もある。

根室の漁業者は、北方4島はそもそも日本の領土である、そこで密漁されたウニのために国産ウニの値が下がってひどい目に遭っている、と嘆いているのである。

現在ロシアは、カニ資源の保護のために活カニの輸出の禁止を表明している。
活カニも密漁で乱獲され、日本に輸出されていたのである。禁輸の対象にロシア産ウニもなるのかならないのか、水産庁も固唾をのんでロシアの動向を見ているのである。

もし、ロシア産ウニが禁輸になれば、回転寿司からはウニが消えることになるかもしれない。


エビ90%輸入
日本は世界一のエビの輸入国である。全世界からエビを輸入しているといってもいいほど世界各国から輸入をしている。2005年は2351億6433万円と日本の輸入水産物の中で、輸入金額は第1位となっている。

エビの主な輸入先の第1位は、ベトナムで5万4511トン、第2位がインドネシアで4万5574トン、第3位がインドで2万6309トン、第4位が中国、第5位がタイとなっている。グリーンランド、モザンビークなどからも輸入している。

この中で、輸入が急増しているのが、サウジアラビアからのエビの輸入である。
03年から5年で輸入量は、3倍以上となり、1942トン輸入されている。

なぜサウジアラビアからのエビの輸入が増えているのか。サウジアラビアからのエビの輸入を仕掛けたのは日本企業であった。日本の大手商社が、サウジアラビアの財閥企業が出資したエビ加工会社と日本向け独占販売契約を結び、紅海沿岸42キロメートルに及ぶアルリス地区の総養殖面積2250ヘクタールの養殖池で、エビの養殖を開始したのである。当面年間2500トンを日本に輸出するとしているが、今後、年間約1万2500トンを輸出することを目標とするとしている。それが実現するとタイに迫る輸入量となる。

サウジアラビアで養殖されているエビはホワイトエビ。今、世界的に養殖エビの代名詞ともいえるブラックタイガーからホワイト系のエビに転換が進んでいる。
それは病気に強く、同じ面積に倍の量を養殖できるからだと言われている。その流れにも乗っている。また、マングローブの乱伐とも無縁、養殖池の塩分濃度が高くエビの身が締まっているとも言われている。

日本では、「アラジンの魔法のエビ」で売られているようであるが、これほど遠くから輸入する必要があるのかどうか気になるところである。また、儲けを追求するあまりに抗生物質漬けにならないように気をつけてもらいたいものである。



カニ77%輸入
カニを食べるということは、私たちの食生活の中では贄沢の部類に属するが、年に何回かはカニを食べないではいられないという思いを持っている人は多い。

カニは、日本国内で3万4000トン(2005年)漁獲されているが、輸入が11万5541トン。カニの国内流通量の77%が輸入に依存していることになる。

その中でもロシアの比重が高い。タラバガニは3万5607トン輸入されているが、その91%がロシアからの輸入である。ズワイガニは5万3423トン輸入されているが、その72%がロシアからの輸入である。毛ガニは3954トン輸入されているが、その92%がロシアからの輸入である。

カニの形態別輸入を見ると、活、生鮮・冷蔵の形態で輸入されるカニが5万8207トンであるが、その内93%がロシアからの輸入である。冷凍形態で輸入されるカニは、4万1154トンであるが、その内51%がロシアからの輸入である。
このように私たちのカニ食文化は、ロシアからの輸入依存によって成り立っているのである。



はまぐり95%輸入
はまぐりは、焼きはまぐり、潮汁、吸い物などに使われる食材で、桃の節句のときには、はまぐりを出す習慣もある。これは、娘の良縁を願うためで、昔からの「貝合わせ」という遊びが発端であるともいわれている。はまぐりは、季節を表す食材であるとともに、日本の伝統的食文化を支えている食材なのである。

日本にはないA型肝炎ウィルスが
はまぐりは、日本で1000トン(2005年)の漁獲高があるが、輸入は、実に1万7465トン(05年)にも及ぶ。国内に流通しているはまぐりの約95%が輸入品ということになる。それも中国からの輸入が、1万7013トンであるから、日本国内で出回っているはまぐりは、そのほとんどが、中国産と言っていい状態になっている。

日本の伝統的な食文化を支えてきたはまぐりが、輸入に依存しなければ需要をまかなうことができない事態になってきたのである。

問題はそれだけにとどまらない。輸入はまぐりには、食の安全性の上からも注意しなければならない問題があるのである。それは、A型肝炎ウィルス汚染の問題である。日本には、A型肝炎ウィルスは常在していない。だから、米国政府も日本への渡航者には、A型肝炎の予防接種を勧奨していない。しかし、中国を含む東南アジアは、A型肝炎ウィルスが常在している。

現に、中国では1988年に上海で2万9000人余にのぼるA型肝炎ウィルス感染で犯人が死亡する事件が起こった。原因は、A型肝炎ウィルスに汚染された貝を食べたことによるものであった。ところが、A型肝炎ウィルスが常在していない日本で、急性ウィルス性肝炎患者でもA型肝炎患者が増えている。
輸入貝類を通じて、感染が起こっていることが推定されるのである。
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