二国間自由貿易協定(FTA)とは
WTO交渉とは別に、WTOで全体合意が難しい場合、二国間自由貿易協定(FTA)で処理する動きがアメリカを中心にすすんでいます。

日本の場合、すでに協定を結んでいるシンガポールに続いて、2004年、メキシコとのFTA協定に調印しました。05年から動き始めています。中身は、日本から自動車の輸入をメキシコ側に大幅に認めてもらうことと引き換えに、メキシコの農産物を大量に日本が引き受ける協定です。これでメキシコは農産物の輸出が10%増える、と言っています。その中心は、豚肉とオレンジの果汁です。関税を現行の半分に引き下げて、輸入量を大幅にアップしようとするものです。
両品目ともアメリカ資本です。

アジアでは、タイとのFTA交渉が合意しています。タイ側の要求は、「コメ、砂糖、エビ、鶏肉の関税をフリーにしてほしい」と言っています。
もし交渉の推移の中で、日塁(メキシコ)FTA協定と同じように自動車やIT関連機器、プラント類の輸入をタイ側が大幅に受け入れることを条件に、日本政府がタイ米関税のフリーの要求をのめば、輸入タイ米の国内出回り価格は、4000円程度になります。とんでもないことです。日本の米づくり農家は、深刻な打撃を受けます。

タイ米は日本人には合わないのでは、との意見もあるようですが、薬品会社や食品添加物メーカーは、外食産業と協力して着々と研究をすすめ、輸入米に改良添加剤を入れて、日本人好みの味を作り出すことに力を注いでいます。

経済連携協定(EPA)とは
2004年、「日本、フィリピン自由貿易協定」(FTA)の基本合意がなされました。この協定の特徴は、貿易の自由化だけではなくて、投資や人の移動、知的財産権といったさまざまな分野での協定、経済連携協定(EPA)となっていることです。

特に焦点となっているのが、フィリピン人の看護師、介護士の受け入れです。フィリピン人の看護師候補、介護士候補を日本が受け入れて、国家試験取得を援助し、日本語の研修、資格取得後は日本国内で就労できるというものです。

この協定が動き出せば、日本国内の病院や福祉施設でフィリピン人看護師や介護士が低賃金で働かされることが珍しい状況ではなくなってしまいます。もちろん日本人就労者の賃金や労働条件にも大きな影響を与えるでしょう。