食品衛生関連法規
食品衛生関連法規
食品衛生に関係する法律を探っていくと大なり小なり多くの法律が係わっています
その関連する法律の中で比較的関連の深いものを示しました。

①食品衛生法
食品衛生法は安全に関する法律
食品衛生法とは、一言で言うと「食の安全に関する法」です。「食する人の健康を守るため食品事業を規制する法律」、または「保健所が食品を指導監督する上で根拠となる法律」とも言えます。
堅苦しい言い方をしますと、「食品の安全性確保と飲食での衛生上の危害発生を防止することで国民の健康を保護することを目的とした法律」です。
この法律には、食品および添加物、器具および容器包装、表示および広告、食品添加物、監視指導、検査、営業等の規制があります。
所管は厚生労働省ですが、実際に食品会社の指導監督にあたるのは通常、地方自治体の保健所です。
食品衛生に関する法令として、「法」として食品衛生法、「施行令」または「政令」として食品衛生施行令があります。ここまでが法令です。
その他「規則」または「省令」として食品衛生法施行規則、「乳等省令」として「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、「添加物の規格基準」等があります。
ここまでは全国共通です。
そして各地方自治体には「条例」があり、その地方''で販売する、あるいは製造販売する場合には条例に則ることが求められます。
何とも複雑な法体系です。必要に迫られたときにひも解いて確認するといった具合です。
食品衛生法は、食中毒・微生物規格基準違反・残留農薬基準違反・アレルゲン(小麦・卵・乳・そば・落花生)表示違反・食品添加物使用基準違反・食品添加物表示違反といった「人の健康を損なう(あるいは可能性のある)述反」を取り締まる法律です。食品メーカーとしては最優先に守るべき法です。


営業許可が必要な業種
下記の34業種で食品衛生法により所管の保健所長から許可を受ける必要があります。
手順は営業しようとする事業群が、所管保健所に営業許可申請害を提出し、その施設が施設基準を満たしていると認められた場合に許可が下ります。手続きの書式は各地方白沿体で多少異なりますので、実際に許可を取ろうとする場合は、ホームページの「食品営業許可申請」ページをご覧ください。

保健所の営業許可が必要な34業種
飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業乳処理業、特別牛乳搾取処理業、乳製品製造業、集乳業、乳類販売業、食肉処理業、食肉販売業、食肉製品製造業、魚介類販売業、魚介類せり完営業、魚肉ねり製品製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、食品の放射線照射業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、氷雪販売業、食用油脂製造業マーガリン又はショートニング製造業みそ製造業、醤油製造業、ソース類製造業、酒類製造業、豆腐製造業納豆製造業めん類製造業、そうざい製造業、缶詰又は瓶詰食品製造業、添加物製造業



②食品安全基本法
近年の乳製品事故、BSE間題や偽装表示問題等を契機に、国民の健康保護を最優先し、政府は各関係省庁と連携する食品安全基本法を制定しました。

③地域保健法
地域保健法の第5条で都道府県・指定都市・中核都市・特別区に保健所を置くことを定め、食品衛生等に係わる検査や食中毒に係わる調査等を行うこととなっています。

④健康増進法
健康増進法第26条では食品に乳児用、病者用等特別の用途に関する表示や健康保持に役立てる特別用途食品は厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定めています。同法第27条では地域保健法でいう保健所設置市の長は特別用途食品の製造・貯蔵・販売施設へ職員を立ち入らせ検査し試験検査に必要な食品を採取することができるとし、食品衛生法第30条に定める食品衛生監視員がこれを行うと定めています。

⑤と畜場法
と畜場法は食用に供する家者を処理する 「と畜場」 の設置許可、使用料・解体料の許可、家畜の疾病検査について定めた法律です。食品衛生法はと畜場法の第5条の規定から疾病あるいは死亡した家畜の肉等の販売・流通を禁じています。

食品衛生の意義
WHO(World Health Organization : 世界保健機構)は食品衛生を以下のように定義しています。 「食品衛生とは食品の生育生産あるいは製造時から最終的にヒトに摂取されるまでの全ての段階において 食品の安全性・健全性・完全性を確保するために必要なあらゆる手段をいう」
人々が安心して飲んだり、食べたりできるようにするには食品の生産から最終消費まで( f r o m farm to table)の間、疾病や中毒の原因となるものを排除し栄養や品質等も損なわないようにしなければいけません。

私たちの食生活は、家庭内で調理して食べる 「内食」 主体から調理済み食品や弁当等を利用する「中食」、飲食店やレストランでの「外食」の機会が増加しています。このような食の外食化は食品の流通にも大きく影響しています。また、輸入食品の輸入重量は横ばいながら届出件数は増加していて、少量多品種化になっており、安全性のチェックは重要となっています。このような状況において、食品の安全性を確保することについて個人ができることは限られているといえます。

食品衛生監視員と食品衛生管理者
国家公務員である食品衛生監視員と地方公務員の食品衛生監視員とがいます。国の食品衛生監視員は厚生労働省、地方厚生局、検疫所等に勤務していて輸入食品の監視指導、HACCP(hazard analysis criticalcontrolpoint:危害分析重要管理点,総合衛生管理製造過程) 施設の承認等の業務を行っています。地方公務員の食品衛生監視員は都道府県・保健所・特別区等に配置されており、食品衛生上の危害防止のために食品製造・販売営業施設等の指導、監視業務等を行っています。

食品衛生監視員の資格
①厚生労働大臣の指定した食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を終了した者
②栄養士で2年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有する者
③医師、歯科医師、薬剤師または獣医師
④大学等で医学,歯学,薬学,獣医学、畜産学,水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者でなくてはならないとされています。

食品の製造または加工を行う営業者は、食品の製造または加工の過程で特に衛生上の考慮を必要とする以下の11業種に専任の食品衛生管理者を設置することが義務付けられています。

11業種は全粉乳・加糖粉乳・調製粉乳・食肉製品( ハム、ソーセージ、ベーコン,その他これに類するもの) 魚肉ハム・魚肉ソーセージ・放射線照射食品・食用油脂(脱色または脱臭の過程を経て製造されるものに限る)マーガリン・ショートニングおよび添加物であり、これらの施設ごとに1 人を置くこととなっています。

食品衛生管理者となりうる資格はほぼ食品衛生監視員と同じです。 食品衛生管理者を置かなければならない業種で衛生管理業務に3年以上従事した実務経験者で、さらに厚生労働大臣が指定した請習会の課程を修了した者はなることができ、範囲は食品衛生監視員の資格よりも広いです。2003年の食品衛生法改正により、総合衛生管理製造過程 (HACCP) を導入している施設も食品衛生管理者を置くことが義務付けられました。